くらし情報『南樺太、ウクライナ――戦争で2度「故郷」を奪われ日本へ避難した降簱英捷さん(79)』

南樺太、ウクライナ――戦争で2度「故郷」を奪われ日本へ避難した降簱英捷さん(79)

いったいいつ終わるのか。親戚同士、兄弟同士で殺し合うこともあるのです。そんな悲惨な戦争は早く終わらせなければなりません」

人生の変転やがん治療にも立ち向かってきた英捷さんだが、家族の身に危険が及ぶことを考えると、恐ろしくてたまらない。

「先の大戦でソ連が樺太に侵攻し、日本に帰れなくなった私が、晩年になってロシアの侵攻により、図らずも日本へ帰ることになった。私のことは『これが運命』とすべてを受け入れるけれど、国と国が分断され、家族が引き離されることが何よりつらいのです」

英捷さんが願うのは人々が国と国を自由に、そして安全に行き来できる世の中であること。ただそれだけだ。

【後編】ウクライナから決死の脱出ソ連で生きてきた日本人男性の平和への願いへ続く

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