くらし情報『【前編】どうしてこの状況を世界が許しているの…ガザで医療行為をしていた日本人看護師訴える“現地の悲鳴”』

【前編】どうしてこの状況を世界が許しているの…ガザで医療行為をしていた日本人看護師訴える“現地の悲鳴”

それほど、着るもの、食べ物、燃料などすべての物資が不足しているのです」

12月現在、避難民が集中する南部であっても、そこかしこで爆撃の音が聞こえてくる。さらに寒さとの戦いもあるという。

「今は気温が下がってきていて、凍えながら生活をしています。シェルター(避難所)では感染症が流行っていると連絡がありました。おそらく呼吸器系の感染症や、皮膚炎、きれいな水が飲めないため下痢や、胃腸炎などだと思います。衛生状態が悪いため、今後の感染症の拡大も不安です」

川瀬さんは帰国後、共に働いていたハムディ看護師からのメッセージが心から離れないという。

「4人の子供を持つお父さんのハムディが《こんなにたくさんの子供や女性が死んでいるのに、どうしてこの状況を世界が許しているの》と訴えていました。誰もが傍観者であってはならないんです」

ほんの数秒で生死が分かれた

川瀬さん自身も死の危険を感じるガザでの避難生活を振り返るーー。

「今回の軍事衝突があった10月7日の朝は、国際赤十字の宿舎にいて、ミサイルを打ち上げる音だと思うのですが、それが鳴り止まない。すぐに国際赤十字事務所から連絡があって、別の宿舎へ避難するように指示がありました」

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