GACKT自白!格付け個人76連勝“間違えない考え方”は「一部の金持ちが価値を決める」
彼の屋敷で寝落ちし、朝の5時半にそのまま東京の現場に向かうこともザラにあった。それほど、彼と過ごした時間は貴重で彼から受けた影響は大きかった。
そんな彼のこだわりはクルマだけではなく、コーヒー、酒、音楽、映画と幅が広く、彼とはよく映画談義を交わしていた。「コーヒー飲む?」と笑顔で言うと、そこからコーヒーを出してくれるまでの間、その豆はどうやって作られたのか、その豆の特徴など背景を細かく説明しながら最後にカップを並べ優しくコーヒーを淹れる。そして、「はい、どうぞ」とここまでが長編CMを見ているかのような、まるでバリスタと話しているかのような感覚だ。話の引き込み方が非常に上手い。彼から学んだことは知識だけではなく、その独特の話し方、雰囲気作りがいかに大事かということだ。映画の話をし始めると、監督、出演している俳優の名前をすべて覚えているだけでなく、その俳優の他の出演作品もすべてエッセンスとして盛り込んでいく。
彼の話の引き込み方に感動し『覚える』という意味、知識を物にするという努力と覚悟はこういうことなのだと気づかされた。映画の話を一つするにしても、作品のタイトル、俳優の名前だけでなく、『どれだけ感動したか』を誰かに話すためには、伝えるためのドラマの組み立てができないとダメなんだと思うようになった。