“ウザさが癖になる”スズ子の弟子・小夜ちゃんを熱演 富田望生「天国の父と震災の孤独が、私を女優へと導いた」
だから、視聴者の皆さんもこの先、そうなってくれたらうれしいなって思います」
富田も、小夜と同じ福島県のいわき市出身。そして、誕生の5カ月前に父を事故で亡くし、母子家庭で生まれ育つという苦労も。
「母子家庭だからつらかったなんて記憶はないんです。
もちろん母は働いていたので、一緒にいられる時間は、よそのお母さんに比べたら短かったと思う。
それでも休日には母と、ドライブや公園に遊びに。楽しい思い出しかないんです」
母、そして母方の曽祖母とともに暮らしていた富田。11歳のとき、今度は東日本大震災に遭遇する。
「怖かったですよ。
『どうやって、いまこの1秒を生きていこう?』って、子どもなのに、そんな気持ちになりましたから」
ホテルの支配人をしていた母。震災後は関東にある系列のホテルに職場を移すことに。そこにあったミニキッチン付きの部屋で、家族全員、避難生活を送った。
「小学校も転校しました。でも、私はどうしても、いわきの学校に戻りたくて。母が新しい家を探そうとするのを、ずっと反対してました。
それで、卒業式の10日前にもう一度、いわきの小学校に転校させてもらったんです。卒業式だけは、いわきの友人たちと一緒に出ることがかないました」