目や耳が不自由な人でも誰でも一緒に楽しめる「日本で唯一のユニバーサルシアター」をつくった女性
’06年公開の山田洋次監督作品で、木村拓哉が盲目の武士を演じた『武士の一分』。
「製作委員会がバリアフリー版を作り、音声ガイド付きで上映されたんです。メジャーの松竹のお正月映画に音声ガイドが付いたのは、私たちにとって映画史に残るセンセーショナルな出来事でした」
さらに’08年からは、シティ・ライツ映画祭を主催していく。
これが人生の転機となったのが、当時は石川県で点字図書館に勤務していた全盲の田中正子さん(51)。
「’10年春に第3回シティ・ライツ映画祭のことを知りました。『雨に唄えば』と『虹をつかむ男』の2本立てで、どちらにも音声ガイドが付くと知り、どうしても体験してみたくて、小松空港から飛行機に飛び乗っていました」
映画を観終わったあと、田中さんは心地よい衝撃に浸っていた。
「こんな夢みたいな体験ができるんだ、って。それまでもテレビで『タイタニック』を観て感動したつもりでいましたが、実は何もわかっていなかったんですね」
こうした声に後押しされ、平塚さんは、いよいよ常設のバリアフリー映画館づくりに動き出す――。
【後編】目や耳が不自由な人でも誰でも一緒に楽しめる「日本で唯一のユニバーサルシアター」を誕生させた女性へ続く
(取材・構成:堀ノ内雅一)
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