くらし情報『目や耳が不自由な人でも誰でも一緒に楽しめる「日本で唯一のユニバーサルシアター」を誕生させた女性』

目や耳が不自由な人でも誰でも一緒に楽しめる「日本で唯一のユニバーサルシアター」を誕生させた女性

観終わったばかりの観客のなかに、盲導犬を連れた、全盲の声楽家の天野亨さんがいた。

「年間50回は通っています。この映画館は、私たち目の不自由な者を本当に映画を観た気にさせてくれる、楽園のような、なくてはならない場所です。できれば、日本中の都道府県に1館ずつ普及してほしい」

現実に平塚さんのもとには、地元でユニバーサルシアターを開きたいという熱意ある視察者などが、全国から、さらには世界中からも訪れているそうだ。

前出の田中さんは、現在では音声ガイドモニターを務めながら、ふだんも盲導犬と一緒に鑑賞するチュプキの大ファンのひとり。「洋画が好きで、毎年のアカデミー賞の話題作も、いつも観たいと思っています。ただ洋画に関しては、邦画に比べて、ほとんど音声ガイドが付いていないのが非常に残念です」

現状では、音声ガイド付きの映画は、まだ公開作品全体の1割程度で、特に洋画は権利の問題などがあって困難という。しかし、それを嘆く前に、平塚さんの、できることから自分たちで果敢にチャレンジしていくという姿勢は変わらない。


今週から上映される『「生きる」大川小学校津波裁判を闘った人たち』では、スクリーン下に手話通訳者の映像が入る“字幕・手話合成版”での上映となる。

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