離乳食を無料で提供…日本初「赤ちゃん食堂」創設者語る“ワンオペママにとって何より怖いもの”
「さあ、みなさん。お話の途中ですが、まずは、赤ちゃんたちのごはんですよ〜」
11時を回ったころ、キッチンから元気な声を発したのが、赤ちゃん食堂の創設者で、ママナハウス代表も務める助産師の菊地愛美さん(37)。自身も4人の子を持つお母さんだ。
「今日も、お野菜は近所の農家さんからです。ああ、ようやく春野菜の季節になったんだなぁと思いながら、真心込めて作りました」
テーブルに並んだ本日の献立は、ハンバーグ、ポテトサラダ、にんじんラペにデザートのみかんヨーグルトまで、栄養バランスだけでなく彩りもバッチリだ。食べやすいようにやわらかくしたふわふわのハンバーグをほおばる赤ちゃんたちから、覚えたての「おいちい」が響きわたると、食堂は笑い声であふれるのだった。
赤ちゃんの食事が終わると、次はお母さんたちの番。大人用のハンバーグに舌鼓を打つ。
その間、子供の世話は菊地さんとスタッフらが担う。
食事の間も、ママたちの情報の収集と交換は続いた。菊地さんがその光景を見ながら、
「食の大切さを改めて実感しています。お疲れぎみのママたちが一緒に食卓を囲み『おいしいね』と言い合うなかで打ち解け、いつしか笑顔になっているんです」