寝ても覚めても顔がピクピク…女優・高樹澪が明かす難病“片側顔面痙攣”闘病記 開頭手術は「まな板の上の鯉」になったつもりで
’02年に撮影した映画『チルソクの夏』の現場では、顔の痙攣が止まらなかった。監督は何も言わずに粘り強く「顔が動いていない」一瞬のタイミングを狙い何度も撮り直しをしてくれたという。
「目や顔の動きで表現をする女優にとっては命取りです。キャストはもちろん、スタッフやエキストラの方々を長時間待たせてしまい落ち込みが激しくなって。ある日、とうとう所属事務所の社長に電話1本で『もう辞めます』と引退を告げたのです」
「引退宣言」をしてからは仕事の重圧から解放されたが、症状は改善せず、心療内科に通いながらラーメン店やパチンコ店といった畑違いのアルバイトを経験した。
「事務所側は『休業』ということで仕事のキャンセル手続きに追われたそうで。私も『辞める』と告げたころは寝ても覚めても顔が動くようになっていて、眠ることもままならず。また、まひしているため、水を飲むと口が閉じないのでダラダラあふれるという不便な状況もあり、相当追い詰められていたんです」
芸能界から遠ざかっていた’06年のある日、古い友人から「名医がいる」と脳神経外科医の清水克悦氏を紹介されたことが転機に。
「『厄介な腫瘍をスルリと切除した名医だから』という説明でした。