2050年に高齢独居女性が直面する「悲惨予想図」年金減額で月4万円以上の大赤字に
「高齢のおひとりさま女性の貧困率が、非常に高いのです。東京都立大学子ども・若者貧困研究センターの阿部彩教授がまとめた『相対的貧困率の動向(2022年調査update)』によると、65歳以上の単独女性世帯の貧困率は44.1%。じつに2人に1人に近い人が、貧困に陥っているという結果です」
ここでいう貧困率とは、相対的貧困率のこと。
「全世帯員を考慮して計算した可処分所得(手取り)の中央値の半分が貧困線です。厚労省によると、2021年の貧困線は127万円です」
厳しい現実がつきつけられるが、現在50歳の女性が75歳になる2050年には、どのように生活環境が悪化するのだろうか。
■遺族年金だけでは暮らしていけない
【年金】
「女性は65歳から貧困に陥るケースが多い。年金制度は、妻は夫の扶養を受けることを想定しているため、夫婦ならば生活が成り立ちますが、単身となると女性は年金額が少ないのです」(吉中さん)
前出の都立大学の調査では、65歳以上おひとりさま女性のなかでも、「離別」の貧困率は43.6%でもっとも高く、「未婚」43.1%、「死別」32%と続いた。
厚生労働省の年金制度基礎調査(2022年)