44歳の専業主婦、パク・ヨンハの急逝で韓国語を勉強→51歳で字幕監修者に「自分で稼いだお金で墓参りできたことは、私にとって大きな意味がありました」
講師に押し切られる形で最上級クラスに入ることに。
「授業は全て韓国語で、講義の内容も政治経済や歴史など、濃いものでした。関心のないことになると、てんで言葉が理解できず、授業についていくために泣きながら予習をしていました」
でも、不思議と勉強が嫌になることはなかった。
「この背伸びでだいぶ鍛えられ、力がついた実感もありました」
1年後、字幕制作会社が開催する映像翻訳講座を受講し、修了試験では1位を獲得。
「私以外の参加者は全員、すでに字幕翻訳の仕事をしていたので、まさか自分が1位になるとは」
自信をつけた花岡さんは、韓流コンテンツ配給会社の大手、コンテンツセブンの求人に応募。高倍率のなかで採用が決まった。
当時51歳。会社勤めの経験のない自分が、なぜ高倍率のなかから選ばれたのか。
「採用が決まったときはとても驚きましたが、おそらく、日本語力だけでなく、言葉の組み立て方や選び方なども評価されたのかなと思っています」
そして、人生初の会社員生活がスタート。
「仕事のことよりも、毎日の通勤電車が心配でした(笑)」
と振り返ったが、当時の日記にはこうつづられていた。
《今日から3連休。