現在地から婚活事情まで…「スマホ個人情報」売買の実態
(北田さん)
これはネット通販でも、グルメサイトでも同じ。知らない間に「データ提供許諾」の約款に同意して利用している場合が多いのだ。
たとえばネット通販で買い物をすると、つぎにそのサイトを訪れると、おすすめ商品が表示される。これはあなたの前回の購入履歴から、サイトが検索して表示している。こうした自社内の履歴活用はユーザーにとっても利便性が高く、許容する人が多いはず。しかし、まったく別の検索サイトを開いた際、自分が購入した商品に関連した広告が表示されたら、一抹の薄気味悪さを感じる人もいるだろう。
「こうした企業間の個人情報売買が表面化したのは’13年のSuica騒動でした」
そう話すのは、明治大学ビジネス情報倫理研究所・客員研究員の守屋英一さん。
「JR東日本は氏名や連絡先などを伏せ、乗降履歴を企業に販売していました。
相手企業にとって、どの年齢層の男女がいつ、どの駅にどれだけ集まっているか、マーケティングの資料としてはのどから手が出るほど欲しい内容です。しかしこのことが報じられると利用者から反発が大きく、中止せざるをえなくなった。