専門家が警鐘を鳴らす「“再稼働”で危ない全国の原発」後編
海底の活断層は巨大津波リスク要因のひとつなのだが、その実態は少しずつ解明されつつある。
「最近も原発近くの海底に、活断層があるとわかった原発があります。東通原発と建設中の大間原発(ともに青森県)、北海道の泊原発です」と警鐘を鳴らすのは、北海道大学名誉教授で地球環境科学が専門の小野有五さんだ。
海底の活断層は目で見て確認ができないため“音波探査”といって、船から海底に向かって震動を与え、その反射の状態を画像化して確かめる。
「07年にマグニチュード6.8を記録した新潟県中越沖地震が起きましたが、あの地震の前から、変動地形学者らは、音波探査によって、海底の深いところに必ず活断層があると指摘していました」
音波探査で画像に写る地層が大きくたわんでいたら、海底の深いところに活断層がある可能性が高いという。小野さんはこう語る。
「新潟沖では、“地層のたわみ”が見られたので、学者たちは海底の活断層の存在を示唆していたのですが、東電は『音波探査で断層が見えていないから活断層はない』と言い張っていました。