日本初の女性獣医師語る震災 子供の目輝いた「動物との絆」
(小林さん)
’12年から裕子先生がスタートさせたのが、高齢になってからこそペットと暮らそうと呼びかけるプログラム「70歳からパピーとキトンに挑戦」。きっかけは、すでに3世代にわたる付き合いの飼い主のひと言だった。愛犬を失ってペットロスになっていた60代後半の彼女は言った。
「もう年だから、犬を飼えないのは寂しい」
その気持ちを裕子先生は理解した。裕子先生の意思をくみ取って病院スタッフのなかから活動を支えるチームができ、いくつかのルールが設定された。75歳を過ぎたら2週に1度は電話をして近況伺いすること、80歳を過ぎたら動物看護師が定期的に訪問してフォローする。そして、「大丈夫!万が一、あなたに何かあったら、その後のペットの面倒はウチ(赤坂動物病院)がしっかりと見ますから」という、裕子先生の言葉に大きな安心を得て、いまでは多くの70〜80代の飼い主がペットとの生活を楽しんでいる。
「犬や猫といると、リラックスできます。
緊張がほぐれると、副交感神経が働き、幸せホルモンのオキシトシンが出ます。これが病気にならない秘訣です。