チャリティーの文化広げ…徳光和夫語る24時間テレビの功績
「放送開始当時は1回やってみて、反響が大きければ続けようというくらいでした。ここまで続くとは誰も想像していなかったんじゃないかな」
そう感慨深く語り始めたのは、唯一、第1回から『24時間テレビ「愛は地球を救う」』(日本テレビ系)に携わってきた徳光和夫さん(76)。今年の『24時間テレビ40「愛は地球を救う」』(日本テレビ系・8月26〜27日)で第40回の節目を迎える同番組。徳光さんは、長年総合司会をつとめただけでなく、70歳を迎えた’11年には、最年長ランナーとしてチャリティーマラソンにも挑戦。まさに番組の“顔”ともいえる徳光さんは、この40年間を次のように振り返る。
「40年の間には、募金は本当に届いているのか、障がい者を利用しているのではないか、などと意地悪く報じられたこともありました。しかし番組が社会に与えた影響の大きさを考えれば、圧倒的に“功”の部分が大きいのです」
たしかに、日本社会にチャリティーという文化が根ざしてきた背景には、同番組の存在が大きい。
「駅などの公共機関で、車いすの方々が階段を上がれるように整備されたのは『24時間テレビ』以降のこと。
教育現場でも、体の不自由なお子さんが特別支援学級ではなく通常学級に入れるようになってきました。これらは現在では当然のこととして受け止められていますが、それもやはり『24時間テレビ』の影響があったからだと思います」
番組の存在感は、作り手側にとっても大きくなっていると徳光さんは感じている。
「先日、長嶋茂雄さんに『24時間テレビは40年を迎えるんです』とお伝えしたら、『もうそんなになるの?エチオピアへ行ったときはすごかったねえ』とおっしゃっていました。現地へ実際に足を運び、難民の方々と接した経験は長嶋さんにとっても、とても貴重だったようです。また、広末涼子さんや宮沢りえさんといった女優さんも、お目にかかるといまだにこの番組の話題が出るくらいです」
海外の紛争現場で活動するNPOの医師や看護師たちの奮闘ぶりを伝えることができたのも、大きな功績だと徳光さんは振り返る。
「やはり僕らがやってきたことは間違いではなかったと思うんですよ。僕はこの番組のことを考えるといつも“テレビ屋”でよかったなと、つくづく感じるんです」
そんな徳光さんも今年で76歳。『24時間テレビ』とはいつまで関わっていくのだろう。
「しゃべるスピードや瞬発力が衰えたら退かせていただこうかと思っていますが、いまのところはまだ大丈夫。オファーがある限りは続けさせていただきたいですね」
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