ハイブリッド弁護士のお悩み相談「家主が敷金を返してくれない…」
それでも大家さんからは、「いやいや、自然災害の場合でも敷金から差し引くて、契約書に書いてありまっせ?」と言われるかもしれません。
そういう場合、契約書の内容にもよりけりですが、ご参考までに判例(最高裁・平成10年9月3日)をご紹介しておきましょう。賃貸借契約終了時に敷金から一定額を差し引くという契約になっていた建物が、地震で倒壊したケースです。この事案で最高裁は、「特段の事情がない限り、敷引特約を適用することができない」と、敷金から差し引けないとの判断をしています。
つまり、契約書に特約を記載するのも基本的には有効ですが、事案によっては無効と判断される場合もあるということです。まずは大家さんと交渉してはいかがでしょうか。わたくしだったら、そうします。