日本ではわずか2頭の活動…“ファシリティドッグ”の必要性
生後半年から同じくハワイで訓練を受け、1歳になるころに日本へやってきた。
「おっとりした犬だなぁ、というのが第一印象。日本初の試みで不安もありましたが、このコとなら、うまくやっていけると思いました」(森田さん)
静岡県立こども病院で2年半勤務したあと、ベイリーと森田さんは神奈川へ。
「神奈川のこども医療センター近くのマンションで、私とベイリーは“二人暮らし”をしながら、平日の10~16時に小児病棟に通う毎日。1日平均15人の子どもたちの病棟を訪問します。病院以外では、ベイリーは私のふつうの家族。“オフ”にはお散歩したり、ビーチに遊びに行ったりして過ごしていますよ」(森田さん)
一緒に遊んだり、治療時にそばにいるだけでなく、ファシリティドッグは歩行訓練や運動療法に付き添ったり、ときには手術室に一緒に入ることもある。
「手術室の手前の待合室で、ベイリーと私と一緒に待っていたお母さんが、ベイリーにすがりながら涙されたことも。
初めて感情を吐き出せたんですね。ファシリティドッグの役目の半分は、親御さんのためという実感があります」