受取額42%増も…「トンチン年金」で得するための受け取り方
生命保険のように死亡保障がなく、保険料は掛け捨てか解約返戻金が低くなっている分、長生きするほど多額の年金がもらえる仕組みになっている。
「かなりギャンブル性の高い保険です。長生きした人がいちばん得する仕組みですから、寿命に懸けた椅子取りゲームと同じです。簡単にいえば保険料を払うばかりの人が6割で、“椅子に残った”4割の人にお金が回されます」
そう語るのは、年金と資産運用に詳しいファイナンシャルプランナーの山中伸枝さん。確定拠出年金相談のプロを育成する「山中塾」の運営や、数多くの講演会を行う、まさに年金の専門家だ。
老後生活はこれからさらに長くなり、2050年には日本人男性の平均寿命が83歳、女性は90歳まで延びるとも。まだまだ元気に楽しく過ごすためにも、リスクを少しでも抑えておきたいもの。
「そこでまず考えてほしいのが、公的年金制度。
そもそもトンチン年金と同じ考えなんです。日本の年金は原則的に国民全員が負担して、受給年齢以前に死んでしまえばもらえず、その分長生きしている人に回ります。むしろ、受給年齢前に死んでしまっても、遺族年金や障害年金がついていると思えば、トンチン年金より魅力的なはず」