ジャンプ伊藤有希が明かす「高梨沙羅との10年ライバル関係」
’16-’17年のワールドカップ総合1位、通算勝利数はなんと「53」と世界1位。日本で1、2位を争い、ともに2度目の五輪となる平昌の大舞台に向かう彼女たちは、幼少期から10年にわたってしのぎを削るライバルとしての日々を過ごしてきた。
伊藤の出身は、北海道上川郡にある人口約3400人の下川町。年に数回はマイナス30度になるという極寒の地だ。祖父・恒さん(故人)は、町の子どもたちのジャンプ競技活動のために尽力し、葛西紀明(45)らの才能を幼少期に見いだしたことで“下川ジャンプの父”ともいわれている存在だ。
恵まれた環境で伊藤が頭角を現したのが、中1で出たシニアの国際大会・コンチネンタルカップだった。初出場でなんと4位、翌’08年には銅メダルで表彰台と、“スーパー中学生”と騒がれたのである。
しかし冒頭のように、すぐ2つ下には高梨がいて、’11年、コンチネンタルカップ2度目の挑戦で優勝。
その後に女子ジャンプの五輪正式採用も決定し、高校生になった伊藤が伸び悩むのを横目に、高梨が“天才女子ジャンパー”の名をほしいままにしていく。