夫の死後1千万円の請求が来た例も…「デジタル終活」のススメ
「普通の遺品と違って、デジタル遺品はパソコン、スマホの中を見ない限り簡単には見つからない。そのため持ち主が死んだ後、遺族はその存在すら把握しにくい。それがデジタル遺品の特徴です」(伊勢田さん・以下同)
遺族が把握していないことから、思わぬトラブルに巻き込まれた例がある。
家族に内緒で、かなり高いレバレッジ(保証金を担保に、その数倍の金額で取引できる制度)をかけてFXをやっていた夫が、交通事故で突然亡くなったのだ。
「ちょうど亡くなったタイミングで為替が大幅変動して、追加証拠金を支払わなくてはならなくなったのです。その金額は1,500万円。証券会社はすぐさま状況を伝えるために、夫の携帯電話に連絡を入れたのですが、交通事故で携帯は破損していたためつながらない。家族と連絡がついたときには、時すでに遅し……。
遺族はそのときはじめて夫がネット取引をやっていたことを知ったのです」
配偶者が亡くなった場合、このような事態に陥らないためにはどうすればいいのか。
「デジタル終活にも考慮したエンディングノートを夫に書かせることですね。