大谷翔平「有能感」を育てた両親の叱らない“肯定教育”
前出・児玉さんはこう見る。
「親からネガティブな叱責を受けていない子どもは、自分の考えを信じて成長できます。大谷選手が他人の意見によって自分の心の声を消してしまうことがなかったのは、両親の自分をやさしく見守るような子育てに起因していたのではないかとも考えられますね」
小学3年生になる直前に入った野球チームには監督となった父とともに通った。
両親に温かく見守られて育った大谷は、このころから自分で考え、道を開くメンタルトレーニングを開始していた。
「内職をしていたお母さんは大谷選手が小学生になると同時にパートに出ました。息子のチームの監督であるお父さんも、勤めていた自動車会社の夜勤明けでも、そのまま大谷選手と試合に出かけた。身を粉にして働きながら見守ってくれる両親の背中を見て、大谷選手は親に頼るのではなく『自分で努力をしなければ』という自覚を持ったのではないでしょうか」(前出・佐々木さん)
脳科学者の塩田久嗣さんは、大谷の発想について次のように解析する。
「両親の教育で育まれた『根拠のない自信』が二刀流の原点でしょう。