くらし情報『仲間の息子は空爆で…シリアの内戦情勢を難民支援者語る』

2018年5月5日 16:00

仲間の息子は空爆で…シリアの内戦情勢を難民支援者語る

 

そこで松永さんは、同じくキャンプで暮らす大人、子どもたちの親に頼んでまわったという。

「シリア時代の仕事について、子どもたちに説明してほしいとお願いしました。どういう勉強をすればその仕事に就けるのか、その職業にはどんな魅力があるのかを、具体的に子どもたちに話してもらうんです。でも……親御さんたちは『よかった時代を思い出すのはつらい』と協力を拒む方も少なくない。ある意味、子どもたち以上に、大人も傷ついているんです」

祖国での暮らしを懐かしむ人は多い。停戦協定の一報が流れるたび、淡い期待を抱き帰国を選択する難民もいる。

「仕事仲間の年配の女性教師に打ち明けられました。『私の息子はもう安全だと信じて帰ったそのすぐ後に、空爆で死んだんだ』と。
また、KnKの仕事をしていた20代半ばの女性スタッフは『大学に進みたいけど、難民キャンプでは無理だから』と、3年ほど前にシリアの親戚を頼り帰国したんです。以来、彼女とは連絡が取れていません。無事でいてくれるといいんですが」

泥沼の内戦で、故郷から離れ、隣国ヨルダンで生きるシリア難民たちに平和はいつ訪れるのか――。

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