要介護者、家族、事業所にもメリットがある「混合介護」拡大
と話すのは、都内で介護事業所を経営する男性だ。
「1割負担の利用者さんが1万円分の介護サービスを受ける場合、利用者さんの負担は1,000円。残りの9割は国から入る。仮に、保険外サービスの料金が1,000円だとしたら、事業所にはそのお金しか入らない。ヘルパーさんの時間給は同じなので、その1,000円が時給より少なければ、事業所はまったく儲からないわけです」
介護保険の収入を維持しながら保険外の収入を増やす必要がある。そこで、料金設定をどうするか。ヘルパーに支払う保険外サービスの報酬をどうするか。そしてサービス内容をどのように拡充し、ほかの事業所と差別化するか。
混合介護サービスを提供していく側にとって、今後の課題となりそうだ。
だが、別の介護事業所で働くケアマネジャーは、大きな期待を寄せている。
「ヘルパーさんを募集してもなかなか集まらない。定着しないのが実情です。でも、身体介護の資格を持ったヘルパーさんだけでなく、掃除やゴミ出し、ペットの散歩、買い物などを担当するスタッフが、どんどん保険外サービスをやるようになれば、そういった仕事が新たなパート先として注目されるかもしれません」