長谷川博己が語る近未来のビジョン。“なにもしない”というアプローチ【『はい、泳げません』インタビュー】
だから、もっと作り込まないというか、自分の中にあるものだけでやっていきたいというか。
世の中の流れを見ていても、作り込むことがよしとされないところに来ているのかなっていう気がしないでもないし、今あるものだけで見せていくのも大事なのかなとも思うようになって。
なにもやらないのもつまらないし、僕は根本的に役についてすごく考えて、イメージするのが好きだけど(笑)、そこを開き直って、もう少し“なにもしない”ようにする。そうすることで、ちょっと変わるような気がしているんです。
――なにもしない?
長谷川なにもしないというか、相手を見て、話を聞くってことかな。
『はい、泳げません』の後半はわりとそっちをイメージしながらやっていたんですけど、しばらくは、監督やスタッフさん、共演者を見て、その人たちの話を聞きながら、自分はそれに動かされる方法をとっていきたいんです。
それがまた元のやり方に戻るかもしれないけど、自分が、自分がっていうのはちょっと恥ずかしいかなという気持ちにもなっているんですよ(笑)。
取材・文:イソガイマサト
撮影:川野結李歌
ヘアメイク:須賀元子
スタイリスト:大久保篤志(ザ スタイリスト ジャパン®)