今日の1杯目のビールのために命を懸ける。松岡昌宏が語る目標をもたない生き方
自然にそうなってるんですよね。おそらく、(内片輝)監督がそういう形を望んでるんじゃないかと思います。全部を一緒くたにするんじゃなく、それぞれを活かすために「この人はここ。こいつはこっち」と。お弁当でいろんなおかずの味が移るのを嫌がる監督なんですね。薄味の卵焼きの横にミートボールを置くようなことはしない人なんです。
――現場で座長として、立ち位置やコミュニケーションなどを意識することは?
松岡一切ないですね。他の現場ではいろいろするんですよ。
酒を飲みに行くことだってあるし。でも、この現場では1回もないです。別にそれが楽しいというわけじゃないんですけど、楽しいとこの作品は成立しないと思います。僕がこれまで関わった作品で、酒を飲みに行かなかったのはこの現場だけですね。
――今、松岡さんのモチベーションの源泉は何ですか?目標はありますか?
松岡目標は持たないです。モチベーションはその日、その日ですね。やる気を出してどうにかなるんだったら、やる気出せばいいんだろうけど、やる気だけでまかり通るような時代でもないし、今は昔みたいに汗水たらして頑張ればいいってもんじゃない。そうなると、自分の中でモチベーションとなるものをつくるしかないんじゃないかな?それは人それぞれ違うもので、仕事終わりのビール1杯なのかもしれないし、帰ってから見る子どもの笑顔なのかもしれないけど。