2022年8月23日 07:00
磯村勇斗を突き動かした“外の世界への憧れ”「大学を辞めることはまったく怖くなかった」
でも成瀬は勇気を出して変わっていった。成瀬を見ていると、もう一度頑張ってみようという気持ちになるし、人は何度だってやり直せるんだという勇気をもらえる。いろんな企業の偉い人たちに、ぜひこの映画を見てもらいたいと思いました(笑)」
外の世界を見たくて、大学を辞めようと決めた
と言っても、成瀬も最初から新しい環境に馴染めたわけではない。突然音楽隊に配属された成瀬は、ここは自分の居場所じゃないと心荒むときもあった。磯村自身もそんな葛藤を経験した時期はあっただろうか。
「大学を辞めたときは、ここは自分の居場所じゃないという気持ちはありましたね」
そう切り出して、磯村は当時の心境に想いを馳せた。
「演技の勉強をするために大学に入って。でも、大学にいると芝居の相手は学内の人たちだけ。
あのときの自分はそこにとどまるより、もっと外の世界を見てみたかった。もっといろんな経験がしたくて中退することを決めました」
今の日本の教育・就職システムにおいて、大学に行くことはある種の“保険”でもある。その保険を捨てるには、相当な勇気が必要だ。
「大学を辞めることはまったく怖くなかったです。高校までは義務的なところがあると思うんですけど、大学に行くのは完全に自分の意思。