「若い役者たちに負けていられない」ムロツヨシと宮沢氷魚が体感した現場のエネルギー
──宮沢さん演じる神木良輔は、高卒で横浜ベイゴールズ(郷原や神木がスカウトを務めるプロ野球球団)に入団するも通用せず、引退後に転身した新米スカウトマンです。宮沢さんご自身も野球をずっとやっていたとのことですが?
宮沢大学までの18年間、大好きな野球をずっとやっていました。中学生くらいまでは本気でプロになりたかったんですが、怪我などもあって道が途絶えてしまったので……僕の中には神木とすごくリンクするところがありました。プロに入って夢をかなえたと思いきや、試合に出場できず結果を残すことなく引退する彼のもどかしさや、自分が思っているレベルまでパフォーマンスを上げられない、成し遂げたいことを成し遂げられないフラストレーションもよく分かります。
──そんな神木が新米スカウトマンとしていろいろなことを新鮮に感じ取っていく姿も印象的でした。
宮沢郷原をはじめ、先輩のスカウトマンたちにキツいことを言われて普通だったら心が折れてしまうかもしれないのに、彼はどんどん前向きに進んでいく。その姿を見て「神木は本当に野球が大好きなんだな」と思いましたし、僕自身も今は野球をやっていませんが、大好きな気持ちは変わらないので……神木が思っていることややりたいことが僕自身とリンクして、彼に対する理解がより深まりました。