「若い役者たちに負けていられない」ムロツヨシと宮沢氷魚が体感した現場のエネルギー
──神木は“心の声”で突っ込むことも多い役でしたね。
宮沢そうなんです。これまで出演した作品の中で一番モノローグが多くて、かなり試行錯誤しました。モノローグで神木がコミカルに突っ込んだりするんですが、その度合いが難しくて……何パターンも録って、最終的に監督がいいと思ったものが採用されています。神木のモノローグは時にスパイスとなって物語に効いてくるので、とても重要な要素でもあるんですよね。あれだけの量のモノローグは初挑戦でしたが、自分なりに考えてバランスに気をつけながら収録しました。
ムロ大変といえば、僕は髪型ですね(笑)。あのサイズとバランスに辿り着くまで、すごく時間がかかりました。
原作の郷原みたいに面長じゃないので、ヘアメイクさんと相談しながらいろんなウィッグの毛量を調べて、地毛とのバランスを考えてフォルムを作り上げました。原作は平面だけど、実際は立体ですから、あらゆる角度から見ても違和感のないように。とてつもない時間をかけて辿り着いたことは、ぜひこの取材で言わせていただきたいです!(笑)
──山本透監督のコメントに「ムロさんは現場で常にアイデアをくださった」とありますが、例えばどんなアイデアを出したのでしょうか?
ムロ脚本家やプロデューサーのみなさんで作りあげてくださった台本をもちろん絶対的に信頼しているんですが、郷原を演じる人間として、また原作の1ファンとして、「原作のこのセリフは活かしたいです」