「若い役者たちに負けていられない」ムロツヨシと宮沢氷魚が体感した現場のエネルギー
撮影初日のムロさんの言葉で気づきを得ることができた
──今作のように漫画原作がある作品で役を演じる際に意識することとは何でしょうか?
ムロすでに漫画で描かれているからこその“やりがい”と“プレッシャー”があります。大好きな原作で大好きなキャラクターですが……映像化するにあたってまったく同じようにやろうとすると塗り絵になってしまいます。原作で描かれている、例えば郷原の姿勢や指の使い方などは忠実に再現しつつも、「自分が演じる理由とは何だろう?」と考えながらプラスアルファの要素を加えていくことを意識しました。原作を真似するのではなく、自分が演じる意味を作っていく。一番気をつけたことですし、忘れてはいけないことだと思っています。
宮沢僕が演じた神木は、漫画だともう少し表情や雰囲気がデフォルメされているんですよね。でも、映像化したときにそれをなぞってしまうと、ちょっと浮いてしまう可能性もあって。神木が生活している日常にリアリティを持たせるうえで、漫画のベースはおさえながらも周りから浮かないように。
そのあたりの微調整は特に意識しました。ただ、神木の内面が垣間見える瞬間……例えば何か言われてイラっとする感じとかは、普段自分がやっているお芝居よりもオーバーに表現したつもりです。