2019年9月13日 07:00
小栗旬から見た太宰治「単純に3人の女性のために時間をさくってすごい」
撮影:高橋那月
小栗旬が、太宰治を演じる。それだけで、この映画を見逃してはいけないという気持ちにさせてくれる。9月13日(金)公開の映画『人間失格 太宰治と3人の女たち』は、日本を代表する文豪・太宰治とその妻・美知子(宮沢りえ)、そして愛人・静子(沢尻エリカ)と富栄(二階堂ふみ)による、スキャンダラスでドラマティックな恋と人生の物語だ。
妻と子供がいる身でありながら、次々と外に女性をつくっては、彼女たちとの恋に溺れる太宰治は、現代の倫理観に照らし合わせれば炎上必至の問題人物。けれど、小栗旬が演じる太宰は、ダメで、ズルくて、でもそこがたまらなくいとおしくなる魅力がダダ漏れ。人も羨む才能を持ちながら、あまりに不器用な生き様につい心をとらえられてしまう。
「とても自由な人ですよね。自分の本能と衝動に従って生きている。
そこが人間らしいなと思いました。これで何もしていなかったらただのクズ野郎と呼ばれても仕方ないですけど(笑)、数多くの日本人が手に取った作品を生み出しているわけで。そうすると、不思議なもので彼の生き様を肯定せざるを得なくなる。今の時代、太宰みたいな人は絶対生まれない。あの時代だから太宰みたいな人間が生まれた気がします」