ヴァイオリンに思いを込めて半世紀─大谷康子が記念公演を華々しく
の演奏で。今回彼女のために集まったこの特別編成のオーケストラは、ヴァイオリンは全員が大谷の門下生で、現在ソリストやオーケストラ・プレーヤーとして第一線で活躍している人たち。おなじみのメンバーが何人もいるはずだ。
「学生時代に東京芸大の附属高校で教え始めて、東京音楽大学と東京芸大、今は東京芸大ジュニア・アカデミーでも教えています。長年教えてきたので、生徒さんたちがいっぱいいます。一緒にやれたらいいなと思ってちょっと話したら、あっという間に話が広がって、一人ひとりに声をかける間もなく大勢集まってくれました。
R.シュトラウスはブラームスと並んで最も好きな作曲家です。この曲は第二次世界大戦中に書かれた作品ですから、今の状況をみなさんと共有するという思いで選びました」
そして明るい未来に向かう後半。
クレンゲルの《ヒムニス》はもとは12本のチェロのための作品だ。
「これは指揮者なしで、生徒さんたちと演奏します。1パートを2人ずつ弾けば、生徒がもっとたくさん出られるので、たぶん24人で。もしかしたら36人になるかもしれません(笑)」
世界の民族楽器と共演する新作協奏曲の初演
(c)Kano Hayasaka
最大の聴きどころは、このコンサートのための委嘱作品《未来への讃歌》の世界初演だ。