2022年10月1日 12:00
宝塚雪組トップスター・彩風咲奈、『蒼穹の昴』舞台化に「絶対いい作品にしたい」
と、文秀について語る彩風。
宝塚歌劇団雪組 グランド・ミュージカル『蒼穹の昴』 (C)宝塚歌劇団 Photographer/下村 一喜
大事にしたいのは、原作にある、科挙の最中に楊喜楨から助言を与えられるところだという。「今回のお芝居の中にはないのですが、楊喜楨から“本来の自分を出しなさい”と言っていただくことで、文秀は自分の皮が剥がれた気がするんです。私も宝塚の男役として、彩風咲奈としてずっと作り上げてきたものにプラスして、今までの自分の人生での経験とか、いろんな思いを出していいんだよと言ってもらえたような気持ちになりました。その言葉が、二幕の政治の場面でも、文秀の内にあるものに影響していくと思いますので、そこを根底に持ちながら演じたいと思います」。
優秀な人物を演じるうえでの難しさは多い。文秀は心情を吐露する場面がほとんどなく、身振り手振りも控えた芝居になる。「周りの人たちが文秀はこういう人だと言うことが多いので、それをヒントに作っていきたい。
ともするとエリートの役は人間的ではなくなってしまいますが、文秀はいろんな人から思いを寄せられる魅力のある人物。破天荒な面もあるといろんな人たちから言われていますので、前半ではその破天荒さを大きめに表現しつつ、後半の政治の部分ではしっかりと話を引き締めたいと思います。