2022年10月5日 18:00
前田公輝が振り返る『ちむどんどん』砂川智の恋「暴走でした、本当に(笑)」
「ゆし豆腐とかこんなでしたよ」と言って、ゆし豆腐の入った木箱を持つ手をブルブル震わせるようなジェスチャーをしておどけた。プレッシャーを乗り越え、やり遂げられた実感があるからこそ、テンパっていた頃の自分も笑い話に変えられる。
「それだけ憧れた場所だからこそ、乗り越えたあとにもらえる贈り物もすごくある。1年間、本当にいい時間を過ごさせてもらったなって。その人の生涯を若い頃から年をとったところまで描けるのは朝ドラならでは。他の作品ではなかなかできない経験をさせてもらいました」
そうしみじみと噛みしめる顔は、なんだかとてもすっきりしていた。沖縄の海を見て自然体でいいんだと思ったときも、きっとこんな顔をしていたんだろう。
「なんだろう。
今はアクがとれたっていう感覚があるんですよね。自分に必要なものが見えてきたというか。もちろんもっとやれることを増やしたいという気持ちはあるんですけど。20代の頃、あれもこれもといろんなことに手を出して。それが今は自分のやるべきことに集中できているというか。整っているっていうのが近いかな。仕事に対してもプレッシャーを感じづらくなったし、全部に全力投球するんじゃなくて、ちゃんと力の配分ができるようになった。