2019年10月28日 07:30
ヒット作連発の製作者J・ブラッカイマーが語る念願の企画『ジェミニマン』
「この作品は実現するまでに長い時間がかったのですが、実はプロジェクトを休止していた時期もあるんです」とブラッカイマーは振り返る。「ある時期に“ジュニア”の映像を試作したことがありましたが、当時のデジタル技術では私たちが納得いくものはできませんでした。そこでテクノロジーが脚本に追いつくのを待つことにしたわけです。2年ほど前、スクリーンでアン・リーが監督した映画『ライフ・オブ・パイ』に出てくるトラを観て、いまならば再びプロジェクトを前に進めることができると思いました」
世の中には“映画プロデューサー”を名乗る人物はたくさんいるが、その業務内容は驚くほどに異なっている。単純に資金を出しただけ人、原作者の血縁者で名義だけ貸したような人、撮影現場を円滑にまわすことだけに特化した人も“映画プロデューサー”だったりする。しかし、ブラッカイマーの仕事は映画づくり全般をカバーしている。
「そうですね。映画製作の全工程に関わっていますし、それこそが私の仕事だと考えています。
小説や記事やアイデアの断片を発見して原案をつくり、脚本家を連れてきて、資金を調達し、監督を見つけて、スタッフと俳優を選び、映画が完成するのを見守って、公開して得た収入を出資者に戻す……とは言え、私の仕事は“自分の観たい映画をつくる”こと。