ピクサー最新作『ソウルフルワールド』は魂をふるわす“予測不可能”な物語。監督が語る。
では、22番のきらめくものは何だろう?
本作は現実と魂の世界を行き来しながら次々にトラブルが起こり、感情が大きく揺れ動くドラマが待っているが、ドクター監督は「とてもユニークでジョークを交えたユニークなシーンもたくさんあるから、観る人が驚いてくれることを願っているよ。本作を見て予測がつかない物語だと思ってもらいたいんだ」と言う。
これまでのピクサー作品の多くは、観客の予想を上回る物語を描いてきた。ポイントは単にサプライズを仕掛けたり、伏線を巧妙にはって回収するだけでなく、物語の最初のゴールに見えていた場所を“超える感情やテーマ”が浮かび上がってくることだ。
名作『トイ・ストーリー3』で主人公のオモチャたちは持ち主の青年と離れたくないと必死に行動するが、やがて当初の目的よりも大事なことに気づく。『インサイド・ヘッド』で少女の頭の中にいた感情ジョイ(喜び)は自分がコントロール室に戻れば問題は解決すると大冒険を繰り広げるが、ある段階でそれだけではダメだと思うようになる。物語の中でキャラクターが発見し、変化し、成長することで、観客の感情にも予想外の驚きや感動が生まれる。これこそがピクサー作品の醍醐味ではないだろうか?
「上手なストーリーテリングとは、見ている側が楽しくて、かつ無理のないようなものでないといけない」