2021年12月28日 07:00
松本花奈×北村匠海 対談「若者を救い上げる作品を生み出したい」
北村さんのお芝居からは、そういった絶妙な心境や状態の変化がしっかり感じ取れるんです」
北村「原作を渡してもらって読んだ時、役を演じるのではなく“そこに生きる”ことのできる役だなと思いました。<僕>の生きるテンションが自分と近いものを感じました。出てくる場所も音楽もちゃんと僕自身に思い出があるのも大きいかもしれませんが、カツセさんに自分の人生を見られていたのでは?と思いましたよ(笑)」
“今を生きる若者”として生きることを決めた
原作と台本を読んだ後「もう芝居をしないスタンスでいきます」と松本監督に伝えたという北村さん。どんな作品でもお芝居をする上では毎回「ゼロと言っていいほど作り込まないこと」を大切にしているのだとか。
北村「いろんな手法のお芝居をする人がいるけど、僕は自分のプランを押し付けることはあまり好きじゃないんですよ。現場でのさまざまなキャッチボールから生まれるリアリティが映画だから、僕はあくまでもキャッチャーでいたいなと思っています。
本作では<僕>が直面する「社会に出てみたら意外と何もなかった」という絶望感が僕自身にすごく刺さって。同時に今まさに変わろうとしている社会に対する期待感も理解できる。