水田わさび&大原めぐみが解説! 『映画ドラえもん のび太の新恐竜』の注目ポイント
(大原)
50年前に『ドラえもん』のすべてを生み出し、長編作品の礎、その広がりを描き出した藤子・F・不二雄はすでにこの世にはいない。ふたりはいつも“原作者の声を聞くことができない”ことに向き合ってきたようだ。
「藤子F先生の言葉を直接聞けないからこそ、とてつもないものを背負っている感覚はありますし、その責任は本当に大きいと思っています。だからこそ軽々しいことは絶対にできないですし、藤子F先生が私たちを見てどう思うか……これは永遠の課題ですね」(水田)
「“先生、私の表現するのび太君はこれで合ってますか?大丈夫ですか?何かヒントをください”って空に話しかけちゃう時があります。迷った時は心の中で対話してますね」(大原)
本作も作品の随所に生前、藤子・F・不二雄が描いた面白さや考え、展開の妙が盛り込まれている。本作はオリジナル作品だが、その根底には『のび太の恐竜』に対する多大なリスペクトが感じられる展開で、50年続いてきたシリーズの豊かさを凝縮した作品になった。
「藤子F先生が終わりを描いていないって時点で『ドラえもん』という作品は無限大だと思います。日常ではなければ悪者をやっつければ終わるんですけど、この作品は必ず最後は日常に戻るので、この構造がある限り、これからもまだまだ新しい発見があると思います。