CRYAMY“最初で最後の日比谷野音ワンマン”は命懸けの3時間半公演だった【ライブレポート】
タカハシコウキ(b) Photo:村井香
オオモリユウト(ds)Photo:村井香
〈どうせ死ぬのならいや消えるのなら/それまであなたと生きたいのだ〉と歌う「まほろば」から「俺たちの恩人、スティーヴ・アルビニに捧ぐ」という言葉とともに演奏されたニュー・アルバム収録曲「光倶楽部」は音源よりも数段荒々しさを増した音で、まるでアルビニの魂が乗り移っているようだ。「変身」でも「注射じゃ治せない」でも、まるで生き急ぐかのようなハイテンションな演奏が続く。CRYAMYというバンドはずっとそうなのだ。いつか死んで消えることがわかっているから、誰よりも生きることに前のめりになる。今この瞬間の生を燃やして発光させることに命懸けになる。それが側から見るととても危うく、アンバランスに見える。でもそれはただ猛烈なスピードで生きているだけなのだ。ここに集まったオーディエンスとCRYAMYはいわば共犯者として、この形でしか表現できない生を謳歌している。
(Photo:サトウミズキ)
オーディエンスの手が次々と上がった「物臭」でライブの高揚感にますます拍車をかけると、〈君が特別だったんだ〉と歌う「Delay」