森 大翔『3rd Tour「Let It Grow」』凄まじい濃度で展開された渋谷CLUB QUATTRO公演をレポート
そしてハンドマイクで歌った「きっと上手くいくよ」はライブアレンジでグッとポップソウルなアレンジに。アウトロではギターを持ち直し、ストラト2本が軽妙に絡み、ラフなハンドクラップがこの曲のマイペースな前向きさにシンクロしていた。ポップス好きにも親しみやすいこの2曲で出会ったファンも多いように見受けられた。
すでにさまざまな表情を見せてきたが、まだまだ森の音楽的なレンジは天井知らず。田中の重いキックとスネアで始まる「VSプライドモンスター」は怪しげなムードとねちっこいファンクのグルーヴでまた別世界へフロアを誘う。
スイングするフロウで歌う森、エフェクティブなサウンドでベースソロを放つ月川と、曲の世界観をアップリフトする演奏がオーディエンスの熱量をどんどん上げていき、演奏が終わった瞬間に大きな拍手と歓声が上がった。「もっと声を聞かせてくれ!」と煽る森に応えてコール・アンド・レスポンスが起こる「ラララさよなら永遠に」は80’sっぽいビートに思わず体を揺らしステップを踏む人が続出。森、月川、GenTiのフロント3人が同じアクションでユニゾンするのも華やかで楽しい。
ファンクバンドに見られる光景だが、彼らのステージアクションはちょっとプリンスを彷彿させる部分も。