大槻ケンヂ×燃え殻対談『今のことしか書かないで』は燃え殻調でいこうと思ったんだよ
大槻さんの本に書いてあることは、全部本当だと思ってたんです。
大槻(笑)。
燃え殻で、大槻さんが本を出していなかった期間に、ものを書き始めてしまい。「そうか、こうやって書かなきゃいけないんだ」と思って、本当のことを書いちゃったんですよ。「でもこれはあまりにも角が立つから、小説っていうことにしよう」とか。それで最初に書いた『ボクたちはみんな大人になれなかった』が、1冊になって出る時に、書店で対談イベントをやりましょう、という話が出て。「誰と対談したいですか」と訊かれて「大槻さんがいいです」と。それでオファーしてもらったら、なんとOKだと。
で、新宿紀伊國屋書店の控室で初めて会ったんです。「『リンダリンダラバーソール』のコマコ、大好きでした」って言ったら、「コマコ、いないんだよね」って。
大槻そう。『リンダリンダラバーソール』って、半自伝的なエッセイみたいなもので、コマコっていうヒロインが出て来るんですけど、本当は、いないんですよ。創作なの、僕の。
燃え殻びっくりした。
大槻現実の中に、ちょっと妄想っていうか、空想を混ぜて。梶原一騎原作のマンガがそうだったのと、寺山修司の「起こらなかったことも現実のひとつだ」