阿部寛×内田英治が語る若手世代とのコミュニケーション術「環境や時代の変化は考え方ひとつでどうにでもなる」
内田この間も、ある若い役者さんがウォン・カーウァイが好きだという話をしていてね。聞いたら、『パルプ・フィクション』とか『イージー・ライダー』とか好きな映画が全部一緒じゃんって。ものづくりの現場というのは、それほど世代は関係ないのかなあなんて気がします。
阿部そうやって好きなものの話をするのはいいですね。
内田そうですね。相手のことがよくわかるというか。
阿部僕も現場で仕事の話はしません。僕から仕事の話をすると圧になるから(笑)、できるだけしないようにしていて。
若い子と話すときは、僕は格闘技が好きなんで、それこそ格闘技の話とか。
内田え。阿部さん、格闘技がお好きなんですか。
阿部そうなんですよ。
内田初めて知りました。だったらもっとネタがいっぱいあったのに(笑)。
阿部本当ですか。ボクシングとか好きで毎週観てます。
若い子もボクシングとかK-1とか観ている子が多くて。そういう共通の話題ができると接しやすくなるんじゃないかな。
――年をとると、つい「自分の若い頃はこうだったのに……」と小言を言いたくなりませんか。
阿部いや、むしろ礼儀正しいですよ。今はネット社会なので、いろんなことを前もって勉強してくるし、それこそちょっと前までは、「芝居大丈夫か?」