鈴木亮平&宮沢氷魚と考える愛とエゴ「エゴを持っていることが人間の美しさ」
撮影:友野雄
エッセイスト・高山真の自伝的小説『エゴイスト』が映画化された。
愛する人のために尽くすことを惜しまないゲイの編集者・浩輔と、そんな浩輔の前に現れたパーソナルトレーナーの龍太。溺れるように龍太へと惹かれていく浩輔の愛は自己犠牲的でありながら、どことなくエゴイスティックにも映る。
この愛は、エゴか献身か――。
浩輔を演じた鈴木亮平、龍太を演じた宮沢氷魚と共に、愛とエゴについて考えてみたい。
この作品を通して、愛情の概念がまるっきり変わりました
――この物語のタイトルが『エゴイスト』ということについてどんなことをお感じになりましたか。
鈴木最初に原作を読んだとき、エゴイストが活躍する、悪い主人公の話なのかなと思ったんです。そしたら真逆で、この愛はエゴイスティックなんじゃないだろうかと思い悩む人の話で、優しい愛情と救いの物語だったのでびっくりしましたね。秀逸なタイトルだなと思いました。
宮沢この作品を通して、自分の考えていた愛情の概念がまるっきり変わりました。今までは、家族にせよ恋人にせよ友人にせよ、誰かを愛する行為は、その人のためという認識だったんですよ。でも、実は自分のためだったのかなって。