森田剛の思う“言葉の信用性”「本心は目と言葉に出る」
徹底的に調べる。人に会う。話を聞く。聞いた言葉を噛み砕いて、自分の言葉で喋る。そんなふうに『嘘のない言葉にこだわった』人だからこそ、誰よりも傷ついて、悩んで、葛藤した。そんな和田さんを、いまの自分なら表現できるんじゃないかと思いました」
なぜ、いまならできると思ったのか。一言でいうなら「直感だった」という。男性アイドルグループ・V6として、歌手やタレント、俳優活動を並行し、2021年から独立した森田。
「いろいろ経験したうえで、なんというか、痛みを知って……それを強さに変えることに、興味がわいたのかな」と、まさに自分の言葉を探しながら話してくれる。
「和田信賢さんって、ぐちゃぐちゃなんですよ。もう、中身がボロボロなんです。それでも、自分が信じた言葉を一生懸命、世のなかに伝えようとする姿に、心を打たれたんだと思います」
伝説のアナウンサーとして名が知れている和田信賢を演じたことで、森田が痛感したのは「言葉の重み」だった。
「和田さんはアナウンサーだから、実際に喋るときはマイクに対峙しています。でも、その言葉は、マイクの向こう側で聞いている人たちに発されているんです。自分の言葉を電波に乗せる。