演出家・上村聡史が「約束の血」4部作の集大成『森 フォレ』に挑む! 成河、瀧本美織ら出演で7月上演
いつもながらの、個人の小文字の物語と歴史の大文字の物語が交差する作劇は、深遠な想像を喚起することはさることながら、今作は、前二作の中東をイメージした舞台設定から、ヨーロッパへと舞台を移します。時間軸も、産業革命後の資本社会が台頭する1870年から、第一次・第二次世界大戦という戦争の世紀を潜り抜けて、閉塞感漂う神なき現代までの約150年が描かれます。とりわけ、『森 フォレ』は“女性の身体”が重要なキーワードとなっていて、愛や憎しみ、不安や渇望といった普遍的な感情が、脳、血、顎、腹、肌、性器、心臓といった身体のパーツへと反映され、それら身体の神秘と可能性が物語を大きく突き動かしていきます。その純然たる身体と感情の迸りを、“約束の継承”とも言うべきテーマへと繋げ、熱量と詩的な奥行きを感じる、歴史と個人の一大叙事詩として、今の時代に仕立てたいと思います。
これまでの『炎 アンサンディ』『岸 リトラル』を共に創りあげた心強いスタッフ・キャストと、今回が初参加になるキャストとの刺激的かつ鮮度ある組み合わせで、本シリーズの集大成となるべく醍醐味に、どうぞご期待ください。
【公園概要】
『森 フォレ』
作:ワジディ・ムワワド / 翻訳:藤井慎太郎
演出:上村聡史
出演:成河 瀧本美織
栗田桃子 前田亜季 岡本玲 松岡依都美 / 亀田佳明 小柳友 大鷹明良
岡本健一 麻実れい
日程:2021年7月 / 会場:世田谷パブリックシアター
主催:公益財団法人せたがや文化財団 / 企画制作:世田谷パブリックシアター / 後援:世田谷区