2021年8月27日 07:00
『近松心中物語』で対照的な女性を演じる笹本玲奈×石橋静河。いずれも今の誰かに重なるかも!? 『近松心中物語』キャストインタビュー【後編:梅川&お亀】
セットがけっこう抽象的でシンプルなんですが、その中でいかに心情を伝えるかっていうことが大切になってくるんだろうなと思います。
石橋しかも、そのセットが傾斜になっているので、身体が慣れていくのに時間がかかるだろうなと思っているんですけど(笑)。
笹本そうですね。梅川の衣裳は裾の長い引き着ですし、その傾斜舞台の上で、梅川として自然に呼吸ができるのかなっていう不安はまだあって。そこに慣れるのが今回は最優先だなと、私も思っています(笑)。
石橋稽古では浴衣を着ているんですけど、私たちが普段着ているような洋服で生活をするのと、着物で生活をしているのとでは、人の考え方や感じ方も全然違うんだろうなと思ったり。一つひとつが新鮮で楽しいですね。
――長塚さんの説明から感じたことも含め、笹本さんは梅川を、石橋さんはお亀を、どういう女性だと捉えておられますか。
笹本長塚さんは、遊女にも位があって、梅川はわりと下のほうにいるんだとおっしゃっていたんです。だからきっと、普通の女性なんですよね。何の特別感もない普通の女性が、たまたま遊女にならざるを得なくなり、たまたま出会った忠兵衛と恋に落ちて運命が大きく変わっていく。