2021年11月5日 12:00
『愛するとき 死するとき』インタビュー【前編】小山ゆうな「物語の普遍的な部分に光を当てられたら」
最初に読んだ時は「え?これどうやって読んだらいいのかな?」という感じでしたね。わりとドイツの戯曲ってそういう作品があるんですけど、個人的にはそういう作品を避けてきた部分もあったんです。お客さんが楽しめるのか? という不安も付きまとうので回避してきたんですけど、今回の候補の中にあって、何度も読むうちに実はすごく面白いんじゃないか? と思うようになったんです。
――「面白いんじゃないか?」と感じたという部分は?
この作品、戯曲というかほぼ詩ですよね? 言葉の選び方であったり、文体、言葉の面白さが読めば読むほど美しいな、かっこいいなと感じたり、不思議だと感じたりしました。内容的な部分の「こういう物語です」というのとは別の面白さをだんだん感じるようになって、意識下に訴えてくるというか、読んでいると「なんか気持ちいいな…」と感覚に訴えてくるようなところがあるなと思いました。
音楽劇的な第一部と「映画」な第二部、そして「詩」を語る第三部
――2002年発表の戯曲を20年近く経て、しかも日本で上演することの意義や本作が訴えるテーマ性などについてどのように感じていますか?
そうなんですよね……(苦笑)。