くらし情報『『愛するとき 死するとき』インタビュー【前編】小山ゆうな「物語の普遍的な部分に光を当てられたら」』

2021年11月5日 12:00

『愛するとき 死するとき』インタビュー【前編】小山ゆうな「物語の普遍的な部分に光を当てられたら」

例えば第一部の「僕」が語る青春は、ドイツに暮らす人たちであれば、典型的な東ドイツの青春だねとわかるワードや描写が散りばめられているので、何の違和感もなく、そういうものとして受け止められるんですよね。

でも、それを日本で上演するとなると、場所も全然違いますし、時代も2002年と2021年って全く違いますよね。正直、この作品をいま、本国のドイツで上演しても当時と(受け止められ方が)全然違うと思います。2002年はベルリンの壁が崩壊して10年ほどが経って、みんな東西ドイツが統一して嬉しいねって思っていたけど、実はそうじゃなかったんじゃないの? と気づき始めた頃で、演劇作品でもそういう作品がたくさん作られたりした時期なんですよね。

そういう状況とは全く違う、いまの日本でこれをやるということで、もう少し普遍的な物語にできないか? “東ドイツの物語”ということではなく、閉じられた世界の中で、文字通り閉塞感を抱きつつ、そこから飛び出したいと思っている若者たち――無理やりいまの日本とつなげる必要もないですが、もしかしたら、実は現代の日本とリンクする部分もあるのかなと思うので、そういう普遍的な部分にもう少し光を当てられたらと思っています。

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