2021年11月5日 12:00
『愛するとき 死するとき』インタビュー【前編】小山ゆうな「物語の普遍的な部分に光を当てられたら」
『愛するとき 死するとき』チラシ
――先ほどもおっしゃったように「詩」のような言葉の羅列があり、第一部、二部、三部で登場人物も時代も異なる物語が展開するというのもあり、戯曲を読んだだけではどんな光景が舞台上で繰り広げられるか全く想像がつきません。演出に関してどのようなプランをお考えですか?
第一部は“コンサート”“ライブ”をコンセプトにしていて、全てを音楽でつないでいって、歌もあるし振付も用いながら紡いでいくことを考えています。「僕」が自分の青春を語っているけれども、7人の出演者全員が「僕」かもしれないとも思っています。戯曲では死ぬほど固有名詞がいっぱい出てくるんですけど、それは、あえて誰が誰だかわからなくするための数の多さなんだろうと思っていて、全員が「僕」だと思って進めています。第二部は、作家自身も「映画」と表現していますが、もう少し演劇的な物語を伝えるということをしています。第三部は元の戯曲の通り、もう少し「詩」に戻って、詩を語るというイメージに近いものにして、それぞれの見せ方を変えながら飽きずに楽しめる構成にしていければと考えています。
『愛するとき 死するとき』メインビジュアル宣伝美術:秋澤一彰、撮影:牧野智晃
――小山さんはシアタートラムでは過去に、同じく現代ドイツの戯曲『チック』、そこから派生して生まれた『イザ ぼくの運命のひと/PICTURES OF YOUR TRUE LOVE』の翻訳・演出を手掛けられています。