花江夏樹が演じた中学生の迷いや不安「自分の気持ちが言えないところは、僕 と似ている」
だけど、この『泣きたい私は猫をかぶる』のようにいろんな方に注目してもらえる作品に出演させていただけることは本当にありがたいことですし、これをきっかけに他の出演作品や僕自身のパーソナルな部分も知っていただければうれしいですね」
不変の精神で声優の道を突き進む花江。では、花江自身が変わらずに大切にしているお芝居の心構えとは何だろうか。
「そこに生きているように演じられたら、という気持ちはいつも大切にしていることです。そのためには志田さんのように気持を優先して演じることも大事だし、あとは固定観念にとらわれないことも重要。アニメだから、この表情だから、こういうお芝居をしなきゃと決め込むのではなく、その場に立って生まれた気持ちをそのまま発したものが、その役に合う声になっているのが理想です」
今回、監督を務めた佐藤順一からもアフレコの前に忘れられない言葉をかけられたという。
「監督は『あんまり絵に引っ張られずに気持ちの部分でやってください』とおっしゃっていました。絵は絵でお芝居をする。だからこそ、僕たちが別の角度から声のお芝居をあてることで、より物語やキャラクターが立体的になる。
監督が目指す世界に共感できたからこそ、僕も気持ちを大切に演じることができました」