2021年9月28日 07:00
佐藤健×阿部寛の俳優論「いい俳優とは、目が離せなくなる人」
「コロナ禍ではあったんですけど、多くの地元の方々がエキストラで出てくださって。今よりまだコロナに対する恐怖心や警戒心が高い時期だったにもかかわらず、我々を受け入れてくださったことに、何かこの映画に対するみなさんの想いにふれた気がしました」(阿部)
単純なエンターテインメント作品とはまた違う。実際の出来事をバックボーンとし、この社会が内包する問題に密接した作品だからこそ、向き合い方にも違いはあったのだろうか。
「現状の社会システムに対して、理不尽さとか悔しさだとか、いろんな感情を持っている人がきっといて。利根が、そういう人たちの代弁者となれればいいのかなと思っていたんですよね。そのためにも、今回僕がやるべきことは、利根という人物に向き合うこと。僕が利根と向き合うことで、利根に共感してくれたり、何かを感じ取ってくれる人が現れたらいいと思った。そういう意味では、確かに社会的なテーマを持った作品ですけど、やるべきことはいつもと変わらなかったです」(佐藤)
「笘篠は、現場でも難しい役だなと思いながらやっていたんですよ。
震災によって家族を失い、その喪失感や虚無感から決してまだ立ち直れていない。