くらし情報『人間たちの“生”への希求を描き出す4篇の物語 『デカローグ』最終章が上演中』

人間たちの“生”への希求を描き出す4篇の物語 『デカローグ』最終章が上演中

を問いかける。

人間たちの“生”への希求を描き出す4篇の物語 『デカローグ』最終章が上演中

デカローグ7ある告白に関する物語(奥 左から)吉田美月喜、津田真澄(手前 中央)三井絢月
続く『デカローグ8 ある過去に関する物語』の主要人物は、大学で倫理学を教えるゾフィア(高田聖子)と彼女の著書の英訳者であるエルジュビェタ(岡本玲)というふたりの女性。エルジュビェタがゾフィアの元を訪れたことで、第二次大戦中にユダヤ人の少女の身に起きたある事件の真相が明かされていく。


人間たちの“生”への希求を描き出す4篇の物語 『デカローグ』最終章が上演中

デカローグ8ある過去に関する物語(右から)高田聖子、岡本 玲
舞台上にはこれまでのエピソードでは見られなかった分厚い壁が現れ、物語の冒頭、暗闇の中でその壁に「SIN(=罪)」という文字が映し出される。それは、ゾフィアが戦後40年以上にわたり、心の内に抱え続けてきた罪悪感であり、エルジュビェタが現れたことによって、ゾフィアは改めて過去に対峙することになる。倫理、過去、罪……と堅苦しい言葉が並ぶが、不思議とこの物語を流れる空気に重苦しさはない。何より、この作品を魅力的なものにしているのが、ゾフィアとエルジュビェタが静かに向き合い、紡ぎ出す言葉の数々から伝わる心地よい温もり。ふたりの姿や佇まいからは、年齢や過去を乗り越えたふたりの女性の連帯が感じられ、ある種の“シスターフッド”の物語とも読み取れる。

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